当社では国内において地熱発電の事業化に向けて取り組んでおります。地熱発電は、地熱貯留層に向けて掘削した生産井から取り出した蒸気や熱水を利用してタービンを回転させ、発電を行います。火力発電プラントにおけるボイラーの役目を地球が果たしていると言え、長期にわたる永続的なエネルギー供給が期待できます。地熱発電には下記のような方式があります。
シングルフラッシュ方式
生産井から得られた蒸気に多くの熱水が含まれている場合、蒸気タービンに送る前に汽水分離器で蒸気だけを取り分け、その蒸気でタービンを回して発電する方式。
ダブルフラッシュ方式
シングルフラッシュ方式で蒸気が抽出された後の熱水を減圧して再度蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回してさらに発電を行う方式。
バイナリー方式
地下の温度や圧力が低いため、蒸気ではなく熱水しか得られない場合に、アンモニア,ペンタン,フロンなど水よりも低沸点の熱媒体(これを低沸点流体という)を熱温水で沸騰させ、タービンを回して発電する方式。
ドライスチーム方式
蒸気のみが噴出する生産井において、汽水分離器を利用することなく、そのままタービンを回して発電する方式。
特徴
- 高温蒸気・熱水の再利用
発電に使った高温の蒸気・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用できます。 - 持続可能な再生可能エネルギー
地球内部に包蔵されている無尽蔵とも言える地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇する心配が少なく、長期間にわたる供給が期待できます。 - 昼夜を問わぬ安定した発電
地下に掘削した井戸の深さは1,000~3,000mで、昼夜を問わず生産井から天然の蒸気を噴出させるため、発電も連続して行われます。